『
石橋を叩いて渡る』
ミランは往々にしてそんな戦い方になります。
昨シーズンのチャンピオンズリーグでのセルティック戦を例に出すまでもなく、今シーズンもそれが原因で勝ちきれない試合が多々・・・
まずはその原因の説明から。
TVで何度も言われたから見てた人は分かると思いますが、『クリスマスツリー』=4−3−2−1システムのことです。
このフォーメーションの売りは、『フィールド中央での人口密度の高さ』。
同時に攻撃の局面では前線が、守備の局面では両サイドが薄くなります。
攻撃時の『欠点』を補うのが後ろ(2列目以降)からの飛び出し。
これがないとフィニッシュの局面で手詰まりになり、決め手を欠くことになります。
同時に後ろから飛び出す選手はディフェンダーに捕まりにくいという利点もあります。
そして守備時の欠点は人口密度の高いゾーンの横移動で対応します。
ミランというチームは年齢が高いからか、血の入れ替えがないからか、マンUやアーセナルのようなピチピチ感が感じられない。
つまり思い切ってガンガン点を獲りに行く勢いが感じられないのです。
言い換えれば、攻撃時にリスクを負って飛び出す比重が極端に低い。
まぁ、カカ一人の突破で必要最低限の一点は取れてしまうから必要以上にリスクを負いたくないのかもしれませんが。
その分、守備時はほぼ完璧とも言える鉄壁ぶり。
そーすると、カカの突破が最も活きるシーンであり、少ない人数で得点する確率が最も高いカウンターの割合が高くなるのは自然な流れ。
さらに付け加えるなら、ゴールからの距離が同じならサイドより中央の方がポゼッションが低くなるせいもあって、クリスマスツリー自体がカウンター向きなのもあります。
まとめるとミランは『ポゼッションをベースにしながらのカウンタースタイル』ということに。
だから引いて守る相手は極端に苦手だし、ロースコアな展開は『間違い』が起きやすくもなります。
リーグ戦の順位などを考えると、当然このままでイイわけではありませんが、それでも守備力に自信があるから中々スタイルを変えられないんでしょうね。
絶対的に相手にチャンスを作らせないことをベースにしながら、少ないチャンスで点を取る。(実際はそんなに少なくもありませんが)
『石橋を叩いて渡る』とはそーいう意味です。
ドローの時は『石橋を叩いて割る』って感じでしょうか(笑)
レッズの方はあんまり書くことがないのですがとりあえず。
ポンテと田中達也がいないので実質選択肢はなかったと思います。
せいぜい坪井の代わりに山田を入れて阿部を一列下げるとか。
でも山田も負傷らしいのでどーかな。
普段3−4−1−2を採用してるから、3バック嫌いの拙者もさすがに「そこを変えろ」とは言えないし。
強いて言えば、「もうちょっとずつ頑張れ」くらいしか・・・
だって守って守って『何かの間違い』で一点取って勝ったとしても、自分を曲げては意味がないと思います。
『勝つべくして勝つ』なら一人一人がちょっとずつ無理をしてプレスを掛け続け、競り合いでは一回ずつ多く勝つ。
その結果、スタミナ切れで砕けたとしても得られるものはあったはず。
運否天賦に委ねて得た勝利は積み重ねた結果でしか中々自信には繋がらないけど、自力で手繰り寄せた一勝はそれだけで価値があると思います。
コンディション的には断然有利なワケだからそんな『ムチャ』にもチャレンジして欲しかった。
とは言え、レッズがそこまで守備的だったわけではないし、あのミランにあれだけ圧倒的にキープされるプレッシャーと疲労は想像できません。
だから「もうちょっとずつ頑張れ」と。
ちなみに今大会で拙者の評価が上がったのは阿部勇樹。
レッズのMVPだと思います。
ポンテと達也がいるレッズを見れなかったのは残念だけど、達也の故障はロナウドと同じくらい頻度が高いから望外かな?
あとはサイドチェンジをしっかりトラップできる相馬と細貝。
↑どんだけ元の評価が低いんだ!と
逆に下がったのは長谷部。
張り切るのはいいけど、狙い過ぎて空回りなのが残念。
それにしてもかなり実力差がありましたね。
何より感じたのは競り合いのシーン。
イーブンどころか6:4の状況もマイボールにできず、7:3の状況でもしばしば取られる始末。
これではキープどころかボールを取ることさえイヤになりかねない。
だから数少ないチャンスに上がって来なくても責められません。
それくらい圧倒的でした。
それ以外でも至る所でレベルの違いが感じられ、スコアこそ1−0だけど、決定機の数を数えると・・・数えない方がイイかな?(笑)
ともあれ、負けたレッズも大会が終わったわけではないので、3位決定戦も頑張ってください
でわでわByeByePOO